KERISE v1の回路設計

KERISE v1の回路設計

概要

今年の全日本マイクロマウス大会2016に出場したKERISE v1。今回はその回路設計を紹介します。

全日本マイクロマウス大会2016の結果報告はこちら

KERISEv1

KERISEv1

主な使用部品

部品のほとんどはdigikeyで購入しました。

部品型番備考
マイコンSTM32F405RGクロック168MHz
赤外線LEDVSLY5850直径5mm
フォトダイオードSFH213FA直径5mm
モータードライバDRV8835最大電流3A
6軸センサMPU65003軸ジャイロ+3軸加速度

回路図

ここからダウンロードできます。

KiCadの階層機能を使って書いてみました。とても便利です。

各部位の説明

マイコン

マイコンは、STM32F405RGT6を使いました。ARMのCortex-M4が入っており高スペックです。

STM32F405RGT6スペック
周波数168MHz
Flash1024kB
メモリ192kB
12bit ADC3つ

電源回路

バッテリーは、3.7vのリポを2つ直列につなぐので、7.4Vです。それをDCDCコンバータで5Vに落とし、さらにリニアレギュレータで3.3Vに落とします。

電源回路

電源回路

※2017.11.03追記:電源スイッチにPchFETをつけました。BAT-VOLにコンデンサをつけました。

モータードライバ

モータードライバは、DRV8835を使用しました。1.5Aまで流せるHブリッジが2つ入っています。2つ並列に使えば3Aまで流すことができるらしいです。

パッケージは、12-WSONといい、0.5mmピッチで足が側面にわずかに出ているもので、はんだ付けが難しかったです。

モータードライバ回路

モータードライバ回路

6軸センサ

6軸センサにはMPU6500を使いました。といっても、そのうちジャイロ1軸と加速度1軸の計2軸しか使っていません。

SPIでデジタルデータを得ることができるので、とても使いやすいですが、はんだ付けはカオスです。

1kHzで値を得ることができます。

フォトリフレクタ

フォトリフレクタには、指向性の高い赤外線LEDと、応答の速いフォトダイオードを使用しました。

受光回路は、オペアンプでバンドパスフィルタを作り、高周波と低周波成分をカットしています。 そのため、赤外線LEDは2kHzで点滅させることで、周辺光と区別しています。この回路は先輩から教えてもらいました。

さらに指向性を高めるためにフォトダイオードには熱収縮チューブをかぶせて横側を遮光しています。

受光回路

受光回路

LEDの発光回路は、定電流源ICを使い、モーターなどにより電源電圧が下がっても同じ明るさで光るようにしています。

発光回路

発光回路

基板の設計

KiCadで設計します。いつも通り、自動配線をフル活用です。

配線パターン

配線パターン

3D表示

3D表示

できた基板

Elecrowに発注して約10日で基板が届きました!

KERISE v1 の基板

KERISE v1 の基板

まとめ

はんだ付けを練習しましょう。

参考文献