Charge Station の紹介
みなさん、こんにちは。
14の けり @kerikun11 です。
春休みになりました。
みなさん、進捗どうですか?
今日ご紹介するのは
Charge Station
です。
これだけだと何かわからないので簡単に説明すると、
自動制御の充電器です。携帯などを充電します。
下の写真がCharge Station Ver.1です。
ソーラーで発電した電気で携帯電話などを充電するためにつくりました。
以前、自宅ソーラーシステムの記事を書いたので
時間があればそちらもご覧ください。
100W級ソーラーシステムの自作
Charge Station ですが、今はVer.5まで製作が進んでいます。
今回の記事では、Ver.1~Ver.5の紹介をしたいと思います。
突然ですが、みなさんは夜寝るとき、携帯電話を充電器に差しっぱなしで寝ますよね?
そして朝になったら100%になっている。
しかし、僕は充電器に差しっぱなしというのが嫌いです。
充電は3時間ほどで終了しているのに、そのあとも3時間以上充電器につないでおいたら
携帯電話には負担がかかります。100%を維持しようとして充電を繰り返しているかもしれません。
実際、充電しつづけていると携帯電話は熱を持ってしまいます。
だから僕は、充電が終わると給電がストップする充電器を作ろうと思いました。
以上より、Charge Stationのポイントをまとめます。
1. 入力電圧はソーラーまたは鉛蓄電池の12V。
2. 出力は5Vで、USB出力。
3. 充電が終わったら、自動で給電を止める。
まずは、Ver.1から。
こちらは金属ケースに入れてあり、完成度も高いのですが、
金属ケースに入れたことで、4ポートのUSBのシールドがショートしてしまい、
個別に給電のオンオフができなくなってしまいました。
電流検出のために、Charge Station Ver.1ではオペアンプの非反転増幅回路を使用しました。
しかしそれはGNDからの電位差しか測れないので、充電回路のGND側に電流計を挟むことになりました。
よって各充電ポートのGNDがショートすると個別に電流検出ができませんでした。
次にVer.2
こちらではVer.1のミスである、GNDが共通化されると個別に給電管理ができない問題を修正しました。
そのためにオペアンプの勉強をしました。ここではオペアンプの減算回路を使用します。
減算回路ではGNDからの電位ではなく、2点間の電位差を測ることができます。
これにより、各充電ポートでGNDを共通に接続しても、個別に電流を検出することができます。
Charge Station Ver.2 の概観は、Ver.1と同じです。
次にCharge Station Ver.3です。
ここからは、切削基板で実装しています。
こちらではUARTの通信機能が付きました。充電電流を出力してくれます。
こちらの動画で出力の様子が見れます。ドットマトリクスの表示器も自作しました。
まだまだ続きます。
次は、Ver.3.5です。
Charge Station Ver.3に小型液晶が付きました。
中央上の黒い8pinのICがEEPROM
また、電流の積算機能も追加しました。外付けEEPROMを使って、電源が切れても積算電流値を記憶します。
次にVer.4
こちらはVer.3と回路は同じですが、黒の小型ケースに入れました。
最後にCharge Station Ver.5
現在の最新バージョンです。
Ver.5では僕自身初の基板発注に挑戦しました。
Elecrowという、プリント基板を作ってくれる会社が中国にあります。
こんな基板を発注しました。
同じ基板を10枚で$29で、日本円では3500円ほどです。(円安クソォ…)
届くまでに2週間弱かかり、待っているのが辛かったです。
こんな感じで届き、さあ、製作開始です。
部品を並べてみました。表面実装部品多めです。なるべく小型化しようと思います。
フラックスを塗りながら最難関のSSOPをまず半田付けします。
これが終わればもう安心。部品をどんどん取り付けていきます。
部品がすべて基板に乗りました。ここで動作チェックします。
はぁ。案の定、1か所不具合がありました。FETがスイッチングをしないのです。
テスターを使ってPICからの信号を確かめたり、配線を確認しても、特に問題がありません。
不意にFETを触ってみると…熱い…!
FETのデータシートを見てみるとなんとピンアサインが思っていたのと違うじゃありませんか!!
やってしまいました。基板発注までしてピンアサインを間違える。はぁ。
しょうがないのでFETを回転させて浮いた足を導線でつないだら、しっかり動きました。
ケースに組み込んでこれでやっと完成です。
ケース内部にまだ余裕があるので、今後回路を追加するかもしれません。
Ver.5では液晶が少し大きくなりました。秋月電子の新商品です。みなさまも是非どうぞ。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/g108896/
記事が長くなってしまいましてすみません。そろそろ終わります。
まとめ
僕が大学に入ってから1年、Charge Stationについてかなりの時間をかけて研究してきました。
PICマイコン、オペアンプ、FETなど電子部品の知識が相当ついたと思います。
シリアル通信も1から勉強して、今ではI2C液晶やEEPROMなどを使用できるようになりました。
基板発注の経験も今後役に立つと思います。
この工作は自分がほしいと思った機能を自分で実装し、実際に使い、改善を繰り返しています。
誰かに依頼されて作っているのではないので、時間に縛られず、自由な発想で作ることができました。
Charge Stationは今後も改良を続けていきます。僕とともに成長します。
14の けり @kerikun11 です。
春休みになりました。
みなさん、進捗どうですか?
今日ご紹介するのは
Charge Station
です。
これだけだと何かわからないので簡単に説明すると、
自動制御の充電器です。携帯などを充電します。
下の写真がCharge Station Ver.1です。
ソーラーで発電した電気で携帯電話などを充電するためにつくりました。
以前、自宅ソーラーシステムの記事を書いたので
時間があればそちらもご覧ください。
100W級ソーラーシステムの自作
Charge Station ですが、今はVer.5まで製作が進んでいます。
今回の記事では、Ver.1~Ver.5の紹介をしたいと思います。
突然ですが、みなさんは夜寝るとき、携帯電話を充電器に差しっぱなしで寝ますよね?
そして朝になったら100%になっている。
しかし、僕は充電器に差しっぱなしというのが嫌いです。
充電は3時間ほどで終了しているのに、そのあとも3時間以上充電器につないでおいたら
携帯電話には負担がかかります。100%を維持しようとして充電を繰り返しているかもしれません。
実際、充電しつづけていると携帯電話は熱を持ってしまいます。
だから僕は、充電が終わると給電がストップする充電器を作ろうと思いました。
以上より、Charge Stationのポイントをまとめます。
1. 入力電圧はソーラーまたは鉛蓄電池の12V。
2. 出力は5Vで、USB出力。
3. 充電が終わったら、自動で給電を止める。
まずは、Ver.1から。
こちらは金属ケースに入れてあり、完成度も高いのですが、
金属ケースに入れたことで、4ポートのUSBのシールドがショートしてしまい、
個別に給電のオンオフができなくなってしまいました。
電流検出のために、Charge Station Ver.1ではオペアンプの非反転増幅回路を使用しました。
しかしそれはGNDからの電位差しか測れないので、充電回路のGND側に電流計を挟むことになりました。
よって各充電ポートのGNDがショートすると個別に電流検出ができませんでした。
次にVer.2
こちらではVer.1のミスである、GNDが共通化されると個別に給電管理ができない問題を修正しました。
そのためにオペアンプの勉強をしました。ここではオペアンプの減算回路を使用します。
減算回路ではGNDからの電位ではなく、2点間の電位差を測ることができます。
これにより、各充電ポートでGNDを共通に接続しても、個別に電流を検出することができます。
Charge Station Ver.2 の概観は、Ver.1と同じです。
次にCharge Station Ver.3です。
ここからは、切削基板で実装しています。
こちらではUARTの通信機能が付きました。充電電流を出力してくれます。
こちらの動画で出力の様子が見れます。ドットマトリクスの表示器も自作しました。
まだまだ続きます。
次は、Ver.3.5です。
Charge Station Ver.3に小型液晶が付きました。
中央上の黒い8pinのICがEEPROM
また、電流の積算機能も追加しました。外付けEEPROMを使って、電源が切れても積算電流値を記憶します。
次にVer.4
こちらはVer.3と回路は同じですが、黒の小型ケースに入れました。
最後にCharge Station Ver.5
現在の最新バージョンです。
Ver.5では僕自身初の基板発注に挑戦しました。
Elecrowという、プリント基板を作ってくれる会社が中国にあります。
こんな基板を発注しました。
同じ基板を10枚で$29で、日本円では3500円ほどです。(円安クソォ…)
届くまでに2週間弱かかり、待っているのが辛かったです。
こんな感じで届き、さあ、製作開始です。
部品を並べてみました。表面実装部品多めです。なるべく小型化しようと思います。
フラックスを塗りながら最難関のSSOPをまず半田付けします。
これが終わればもう安心。部品をどんどん取り付けていきます。
部品がすべて基板に乗りました。ここで動作チェックします。
はぁ。案の定、1か所不具合がありました。FETがスイッチングをしないのです。
テスターを使ってPICからの信号を確かめたり、配線を確認しても、特に問題がありません。
不意にFETを触ってみると…熱い…!
FETのデータシートを見てみるとなんとピンアサインが思っていたのと違うじゃありませんか!!
やってしまいました。基板発注までしてピンアサインを間違える。はぁ。
しょうがないのでFETを回転させて浮いた足を導線でつないだら、しっかり動きました。
ケースに組み込んでこれでやっと完成です。
ケース内部にまだ余裕があるので、今後回路を追加するかもしれません。
Ver.5では液晶が少し大きくなりました。秋月電子の新商品です。みなさまも是非どうぞ。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/g108896/
記事が長くなってしまいましてすみません。そろそろ終わります。
まとめ
僕が大学に入ってから1年、Charge Stationについてかなりの時間をかけて研究してきました。
PICマイコン、オペアンプ、FETなど電子部品の知識が相当ついたと思います。
シリアル通信も1から勉強して、今ではI2C液晶やEEPROMなどを使用できるようになりました。
基板発注の経験も今後役に立つと思います。
この工作は自分がほしいと思った機能を自分で実装し、実際に使い、改善を繰り返しています。
誰かに依頼されて作っているのではないので、時間に縛られず、自由な発想で作ることができました。
Charge Stationは今後も改良を続けていきます。僕とともに成長します。